saunastory’s blog

サウナ施設を巡る旅をお届けします。読んでる皆様が整えますように。

【第2話-2】女性が1番美しいのは、サウナを出た後の1時間 【神戸クアハウス】

〈前回のあらすじ〉

轟 大車輪は絶世の美女 氷河水沙のバイクで神戸クアハウスへ向かう。

氷河にメロメロの轟、果たしてその乱れまくりの心を整わせることはできるのか?

 

施設に入ると、布引(ぬのびき)の水飲み場が轟たちをお出迎え。

「ここは水風呂が良いことで有名やねん!水質しか勝たん!」

ウキウキと氷河は答える。

 

「轟、ちなみにこれなんて読むかわかる?」

布引の水飲みを指さす。

「は、簡単だよ。ふいんの水だろ?」

威風堂々答える。

「ドヤ顔で間違えないでよ。正解は『ぬのびき』よ!」

「(ブフゥゥ)」

思わず吹き出すトタッチ。

 

とか話している間に受付で鍵を受け取る。

「じゃ、後でね!水風呂の感想聞かせてなぁ」

 


早速、浴場へ。

身体を洗いまずは重曹湯で体を温める。

「ふあああ、めちゃ気持ちいいいい」

「ぐふふふふ、重曹槽は美容の湯とも呼ばれるほど、 美肌効果の高い源泉らしいじょ!」

あまりの気持ちよさに液状化するトタッチ。

もはや原型がほぼなく、 ぶさいくな面だけが水面をぷかぷか浮いている。

「(こいつ何でもありだな)」

 

身体が温まったところで

 

「サウナ行きますか!」

 

サウナ室に入る。

「おぉ、サウナ室から浴室が見渡せるのか。開放感あって良いね」

座って向かい側の壁がガラス張りであった。

最上段に座る轟。

 

するとちょうど20分おきのオートロウリュウが始まる。

サウナストーブ上に置かれた大量のサウナストーンにオートで水が 注がれる。

 

じゅわあああああああああ

 

「このロウリュウの心地よい音と熱さ、、、たまらんぜ」

体感温度は100℃ぐらいに上昇。

熱さの中にあるどこか優しい熱波に包まれる。

 

10分後、サウナ室を退出。

汗を流し、いよいよ本日のメインといっても過言では無い水風呂へ

「これがふいんの水風呂!」

「むきぃぃぃ!ぬのびきな!さっきもこのやり取りしたわ!」

あきれるトタッチ。

 

水風呂へ入水。

「ふあああ。水が滑らか?肌触りが良い?? なんていえばよいかわからんが今まで行ったサウナ施設と違うのだけはわかる!」

轟は東京染井温泉で初整いを経験して以降、 様々なサウナ施設を訪れていた。

「(うむむむ。サウナ入り始めて1ヶ月もたってないのにここまで水風呂の違いが判るのは凄いかもせん)」

思わず感心してしまったトタッチ。

 

「水風呂と言えば、この羽衣が最高だよなぁ」

「ぐへへへ!間違いない。 水風呂に浸かってると肌の表面がうっすら暖かくなる感覚。

この羽衣ってやつは、バレリーナが着てそうな薄い生地の羽衣が全身にまとわりつくのに似てるからそう呼ばれるようになったらしいぞい。」

「あと、この羽衣。 少しでも水流にさらされるとすぐ破けてしまうよな。このもろさ、 繊細さ。まるで俺のメンタルと同じだな。がはは!」

 

1分ほど浸かる。

 

そして水風呂の近くにある、カラフルなデッキチェアに寝そべる。

 

「お、お、来た来た!!うはぁ、整ったあああ!!」

 

待ってましたと言わんばかりにトタッチが金色に輝き出し、 右手にヴィヒタを装備。

そしてちらかりに切りかかりにいく。

 

「ぬええええ、ヴィヒタ爆裂大根g...

 

すると、 女子風呂の方角からトタッチと同じぐらいのサイズのペンギンらしきやつがちらかりに突撃する。

 

「ぺぇぇぇん!マイティウォーターフォール!!」

 

激しい水流がちらかりに襲い掛かる。

ちらかりは水流とともに消失していった。

 

 

「実は私もGS(ゴットサウナー)でした〜!」

休憩室で氷河は明るく公言した。

 

「むぅぅぅ!僕ちんに気づいてたはずなのになんで無視したんだい!」

トタッチは腕を振り回し問う。

GSは自分に憑依したサウナ神だけでなく、他のサウナ神も見えるようになる。

 

「隠しててごめんやでぇ。今回はどうしてもあのちらかりを自分の手だけで消失させたくてねぇ」

「はてててて?? なんでそんな隠す必要があるにょ?言ってくれれば協力したにょに!」

「ひ・み・つ♡ 誰にだって言えない秘密なんてあるものよ!」

ウィンクして、ぶりっ子ぽい喋りで話す。

トタッチはこれ以上は踏み込まない方が良いと思い沈黙する。

 

「で、このかわいいペンギンは私の相棒 サウナ神『ギンP』よ。よろしくね!」

「って聞いてる?轟?」

さっきから会話に参加していなかった轟。

氷河に不意に話を振られた轟

「う、美しすぎる、、(あ、あぁ聞いてるよ)」

セリフと発言が逆転してしまう。

 

慌てる轟にさらに追い討ちをかけるように生暖かい何かが鼻から出てきたのを感じた。

鼻血である。

 

「え、ちょ轟ぃ!大丈夫??のぼせた??早よ横になり!」

氷河は慌てて轟を介抱する。

 

少し火照った頬、透き通った肌、 そしてほのかに香るシャンプーの良いにおい。

どうやら、轟はサウナあがりの氷河があまりに美しすぎて興奮しまくってしまったようだ。

「(女性が一番美しいのはサウナを出た後の1時間、か。 この名言作ったフィンランド人とは仲良くできそうだなぁ)」

轟はしみじみと思いながらも介抱された。

 

「やれやれ、轟は最後の最後まで気持ち悪かったなぁ」

あきれるトタッチ。

 

轟たちのサウナ旅はまだまだ続く。